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千葉県君津市で視察した国内の商業林。この森林は国が管理し入札により業者を選定し植林を行っています。木々が密集しているのが判ります。

フィリピン政府がカリンガ地域で行った植林。継続的な植林は行っておらず、植林したという事実を作るための植林です。この地域に実際に足を運び役人が確認するこことはありません。

現地スタッフのアボイ家族です。結婚して5年程になりますが、既に3人の子供がいます。

森林は人を育てなければ守られない

植林は人やコミュニティーと密接な関わりを持っています。

​その土地で暮らす人々の生活水準や国柄や土地柄などにより、植林に対する考え方は違います。

緑の森を取り戻そうプロジェクトにも記載しましたが、植林を行う地域の多くは貧しく、産業が少ないため自給自足であったり、余剰に取れた農産物などの売買で僅かな収入を得ます。

僅かな収入は食費や子供の教育費用として使われますが、お金が無く何年もかかって卒業する例も多く見られます。

従ってNGOの活動も彼らにとり重要な収入源として考えられています。また村からの要望で天然林以外のフルーツや薪となるマツなどを植える場合もあり、植林のバランスを取る必要も出てきます。

商業用の植林エリア、薪用のエリア、天然林用のエリアに分け管理して行かなければ天然林そのものを伐採するという選択になってしまうのが現状です。

こういった森林の管理方法や、保全方法、また木に関する知識(病気や間伐など)を良く知る者が居て、初めて森林の大切さが人から人へと伝わって行きます。

左の2枚の写真は上が千葉県君津市で国有林に植えられたスギの商業林になります。天然林と比べかなり密集して植えられています。

下の写真がフィリピンのカリンガ地域でフィリピン政府が行ったマツの植林写真になります。

政府の書類には数万本と記載がありましたが、数千本程度しか植えられていません。

というのも、職員が現地に足を運ばないため、規定数の植林は行われず、写真のみで確認しているために、適正に木が植えられることがないのです。

植林後の手入れも当然行われることはありません。​結果、日本では植林後99%の木は生き残りますが、60%~70%程度しか生き残りません。​

これは2年前に行われた植林ですが、以後政府で継続され植林は行われていません。

現在フィリピン政府は国土の森林が20%台まで低下しているため、植林事業に力を入れていますが政府の発表よりも割り引いて考えることが必要なようです。

日本であれば職員が確認しに行かないということもありませんし、既定の本数が植林されないということもありません。

これは入札などのシステムや管理方法、人々のモラルによることころが大きく、こういった点でも森林を守っていくには管理方法や植林に対する啓蒙が大切であることは判ると思います。

2024/01/25(追記)

この地を再度訪れました。

以前見た植林跡地は既に伐採が始まっており、建材として利用されていました。

ここで、交わされる約束というのは、あってないようなものなので、

継続的に現地と連絡を取り合い確認するという作業が必要になってきます。

年間、何度か訪れる必要があると、感覚的に思います。

それは、その土地で生きる人々のモラルや、国民性により、どの程度の頻度で訪れるべきか、

​変わって来ます。

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