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Tinglayanでの植林風景。チコリバー脇にナラの木の植林を行いました。

​川の近くであるため、石が多く苗木を植えるための穴を掘るのが大変です。石を避け植えていきます。

Tulgao地域での植林後。竹のコップを作ってくれてジュースで乾杯しました。若く見えますが立派な青年でナイフも上手く使います。​

ButBut Properでマツの植林を行いました。この場所は日差しが強すぎるため、手前の草を残し日陰を作りました。根が張る頃に手前の草を伐採します。

同じくButBut Properでの植林。見た目よりもかなりきつい斜面です。

​2023Kalinga再訪。家の中や周辺を案内してくれました。

当時少年だった彼も、大人になり風格が出てきました。
​あっという間に鉈一本で木を伐り解体していきます。

◆日本の国土の70%は森林

日本の国土の70%は森林で内およそ40%が天然林30%が人工林になります。

残った植林がされていない原野などに植林を行ったとしても、大規模な植林を行うことは困難であり、コストも割高になります。

日本の林業の現状は厳しく、個人で山林を持っている場合などは伐採後、植林を行い山の手入れなどをすると赤字になってしまうことの方が多いため、商業用に植林された山でも伐採しないケースが多くあります。

これは安価な木材を建築用資材として輸入に頼っている現状があるからです。

自然を健康に保つには、更に多くの植林が必要となり、それらが継続的に森や山林であり続ける必要があります。

焼畑や商業用木材確保のための伐採、または煮炊きに使う薪を取るための伐採。更には住宅地や水田、畑を増やすための伐採。

その全ては人の営みによるものです。

特に日本は木を原料とするパルプや建築用資材、家具、割りばし、雑貨などに至るまで、多くを輸入木材に頼っています。

わたしたちは地球環境を向上させるには、海外の未発展地域で植林を行うのがベストだと考えています。

というのも街や村が広がって行く可能性がある場所への植林は、住宅地の造成や伐採した木材の輸送費が安く済むため伐採対象となりやすく、自然との共生よりも経済を優先されてしまいます。

一度便利で豊かな生活を覚えたしまった人々へ、お金よりも自然を優先するという考えを持って貰うのは、容易なことではありません。

未発展地域でも、決して楽観はできません。

未発展地域では、自然が身近にあることから、自然を消費し金銭を得るのが一般的です。

従って、自然も破壊されやすいという一面があります。

こういった地域では植えるだけでは10年後、20年後に再度伐採される可能性が高く、天然林へと戻し継続管理していくことは難しい状態です。

これらを回避するため、森林管理者を育て継続的に森林が管理されるようなシステムを取り、今後は現地スタッフの日本国内での研修も行う予定です。

植林後も定期的に植林地の視察を行い、現地スタッフが適切に森林を管理しているか、取り決めが守られているかチェックを行っています。

この手法には幾つものメリットがあります。

現地スタッフが森林を管理することにより、同じ村内で森林は大切であるという、モラルを啓蒙することができます。

都心よりも経済に依存していないため、こういった取組を理解して貰いやすいのです。

そして村人同士の目があることから、森林を守ろうという動きが自然と生まれ広がっていきます。

また日本国内で植林を行うよりも圧倒的にコストがかからず、多くの植林を行うこともできます。

わたしたちが植林を行う殆どの地域は貧しい地域が多く、植林を行った際に得られる賃金で暮らしが潤うという一面もあります。

当然これらの賃金を含めたとしても、日本で行う植林よりもあらゆる面でコストが安いというのが海外での植林のメリットとなります。

また単に植林といっても、我々同様、村人たちもまた家も必要であれば、子供を学校に行かせるためのお金も必要になります。

商業用の植林と伐採用の植林また天然林へと返すための植林を同時に行って行かなければ、天然林が守られることはありません。

わたしたちが一番危惧するのは、私たちの活動後数十年経ち森が守られているか否かです。

継続的に守られなければ意味が無いからです。

植林というと、木を植えておけば良いと捉えられがちです。

しかし植林は人々の生活に密接にかかわりあっており、文化や国柄といったところまで加味しなければ、守られることはありません。

むしろ植えてからが大変なのが植林事業です。

◆どこまで関わるのか(2024追記)

植林事業をやって行く上で、様々な問題を相談されたり、また経済的な支援を要求されることがあります。

これらは、直接植林に関わりませんが、林道の敷設や苗木場の建設。

これに関わる人々の雇用。

更に植える木についてもリクエストがある場合が殆どです。

相談される事項は多種多様で、植林に全く関係無いこともあります。

どこまで、関わるのか。

これは常に考えさせられることです。

予定されている予算内で済めばいいですが、それを超える場合も少なくありません。

以前、お腹が膨れている子供を多く見かけました。

そこで、町へ行き虫下しの薬を買い、子供を集めて飲ませました。

翌日になるとお腹が膨れていた子供が居なくなりました。

植林事業とは全く関係ありませんが、こうしたことも円滑に植林を進めて行く上では大切な事でもあります。

始めた当初は、植林事業以外は極力避けるようにしてきました。

しかし、続けて行くうちに様々な問題に当たり、その都度考えさせられました。

現在は、植林事業やメインとなる事業に支障が無いようであれば、積極的にこうした問題にも取り組もうということになり、植林事業以外も現地職員にて判断し取り組むこととしました。

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