地球の番人代表 高田清輝 2024/01/25
地球の番人に興味を持って頂きありがとう御座います。
地球の番人を始めて、今年で8年目となりました。
開始当初は、気負いもあったり、環境とりわけ温暖化についての取り組みをして行こうと考えていました。
しかし勉強してみると、植林での効果はあるものの、主要な解決策では無いのではないかと考えるようになりました。
皆さんも記憶にあるかと思いますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は, 2019年12月初旬に, 中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから, わずか数カ月の間にパンデミックと言われる世界的な流行となりました。
ロックダウンが出されるなど世界的に未曾有の混乱となりました。
この時のCO2の排出量が大きく減少したことは、ニュースで見られた方も居るかと思います。
その後の研究により、この時のCO2の減少が地球温暖化に与える影響は限定的であるとの見解が世界の科学者により発表されましたが、人が排出するCO2を抑えることが最も効果的であるのは間違い無い所です。
The Climate Response to Emissions Reductions Due to COVID-19: Initial Results From CovidMIP
また、これまで地球は何度も大きな環境の変化を起こしてきており、それは、今の地球温暖化よりももっと大きな環境変化でもありました。
そうした歴史を鑑みると、植林が地球温暖化に与える効果というのは、限定的であると言わざるを得ません。
勿論、森林の多くが伐採されるようなことになれば、人間にとっては大きな環境変化には成り得るとは思いますが、そうなるまですべての国が伐採をするかと言えば、考えにくいことだと思います。特に日本に於いては、国土の66%を森林が占めており、更なる植林は必要無いように思います。
そうした疑問を抱えるのに、あまり時間はかかりませんでした。
以降、そうした考えを深めるにつれ、私たちが行う活動をどのようにシフトしたらいいのか。
そう考え続けて来ました。
そのため、その後の取り組みは多岐に渡るようになりました。
海外での活動や、環境に根差した活動は継続してきましたが、その他、被災地支援や子ども食堂などへの支援。身の回りにある、細かな支援なども行いました。
2023年8月にフィリピンを訪れましたが、以前植林を行った村では大量の大麻が栽培されていました。
これまで、私たちが行って来た植林事業は伐採されないように、切られない木を中心に植林してきました。
しかし、人々の生活を見る限りでは、そうした必要性は無いように感じました。
村まで道路が通ったことで、ガスの供給が容易になり、各家庭にはガスボンベが供えられたことで、伐採される理由は、正規ルートでは無いルートでの不法な伐採へと変わっています。
他のNGO団体が8年程前に行った植林も、既に伐採が始まっていました。
私たちは植林を諦め撤退することを考えましたが、これまで長く見て来た村が、
大麻栽培で変わって行くこと。父親の居ない子供が増えるであろうことを考え、他に方法が無いのか日本と会議を重ねました。結果、アラビカコーヒーの植林を行おうという結論に達し、本来の植林事業とは異なりますが、この村に一石を投じてみようと結論しました。
標高1000メートル以上で育てられることが多いアラビカコーヒーですが、この地で行うことは、リスクが伴います。
もし育つのであれば一定数大麻栽培から離れ、安全な果物やコーヒー栽培へとシフトするのではないかと、そう考えました。
それは、今後訪れるであろう、大規模な検挙や、大麻栽培が過渡期となった時に、セフティーネットとして機能させたいという思惑もあります。
本来の植林事業を飛び出すことで、一番大きな事はこうした柔軟な取り組みを最初から狙ってやれるのではないかということです。
A村の問題点を洗い出し、支援していくことで、その村の人々の生活が豊かになったり、子供が学校に通えるようになったりという変化に繋がるのではないかと考えています。
こうして、始まった取り組みの一つ一つが、これまでの地球の番人とは異なっている点は、環境の保護や公共事業を考えた時に、時間と労力が許すのであれば、出来ることはトライしてみようということでした。
その先に、私たちが進めたい本当の事業があるのだと考えています。
代表の挨拶